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わたらせ界隈

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高峰三枝子の「湖畔の宿」を彷彿とさせる草木湖


 昔、ある自治体に「すぐやる課」というのが設置された。“やることが遅い!” と、住民の苦情から生まれた “課” だが、今どうなっているかは知る由もない。

 おやじの独り言にはこんな課は必要ない。「富弘美術館に一度行ってみたい」と口に出した瞬間から腰はもう落ち着いていない。

 富弘美術館。群馬県桐生駅からあこがれのわたらせ渓谷鉄道に乗り、神戸(ごうど)駅で降りる。かつて足尾の山から掘り出した銅を運ぶためのトロッコが整備された鉄道だが、春は梅、ハナモモ、桜、初夏はアジサイ、そして、秋は紅葉を求める人たちが、乗り切れないほどに押し寄せるらしい。

 神戸駅から貸切状態の路線バスに乗る。運転手さんが沿線案内を買って出てくれ、見どころではスピードを落としてくれる。草木ダムからは群馬の名峰赤城山が近く見え、渡良瀬川上流はるかに奥日光の男体山が白く輝いている。

 富弘美術館は草木湖のほとりに静かに建っている。
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わたらせ渓谷鉄道の花・トロッコ列車の「ワッシー号」


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市の重要文化財に指定されている有鄰館


 桐生という地名は昔からよく知っている。織物の町というイメージもある。だが、考えてみればな~んにも知らない。

 昔、みそ・醤油・酒をつくったという蔵跡が「有鄰館(ゆうりんかん)」という名前で保存されている。近江商人がこの地に落ち着き、その子が蔵を建てたのが始まりという。織物産業が “ノコギリ屋根” という独特の建物文化を生み出している。それらの伝統的な建物がギャラリー、パン屋、コンサート・ホール、介護施設などとして、今も生かされている。

 群馬名物の空っ風が赤城山から吹き付け、時折、雪が混じる寒い一日だったが、桐生はなかなかいい町だった。
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“ノコギリ屋根文化”は今も継承されている


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昔の雰囲気を今も残す町並み


by h-fuku101 | 2013-02-25 06:31 | Comments(0)

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