イイギリ(飯桐)
名前はその大きな葉でおにぎりを包んだことに由来するとか
「向こうの橋を渡った左側に、ぶどうの房のような実をつけた樹があるんですけど、なんていう名前ですか?実の色はオレンジでした」。花の手入れをしている係の人に一人の女性が尋ねている。
「色はオレンジですか?樹の高さはどれくらいありました?実のつき具合は?」。係の人が女性からの問いに答えようと親切に質問を繰り返す。なんとも誠意のある人だ。そして、たどり着いた答えは「イイギリ」。
「イイギリだったらこの道を突き当たったところにもありますよ」。女性は500m歩いて答えの正誤を知ることになる。
もし、おやじが聞かれたら、「あなたが説明する樹と私のイメージが違うかも知れません。私がまちがって『〇〇だ』と答えても、あなたにはそれが正しいかどうか判断できません。実際に見てみないと、結果的に無責任になります」などと、実にかわい気なく答えることだろう。
客観的には、おやじの言い分の方が筋が通っている。ただ、世の中の評価は、往々にして事の正邪とは別のところにある。
イイギリ。今、ぶどうの房状でオレンジ色の見事な実をたっぷりとつけている。
by h-fuku101 | 2013-10-23 06:37 | Comments(0)