幻の西沢渓谷
「部屋は203号室でいいですか?」。まだ二度目の湖畔の民宿「山の宿」なのに、まるで常連客のような気分にさせてくれる女将。腰が曲がり、背も小さくなっておられるだけに、何回も2階を昇り降りしてもらうのは心苦しい。
「領収書はいりませんから」
「そりゃ、いけません」
また階段を上がって来られた。
「明日は早いんですか?」
「はいっ。4時半には出ます」
「今度はどこまで?」
「はいっ、山を越えて西沢渓谷に入ろうと思っています」
「あゝ、あそこはいいですよ。私も息子に連れて行ってもらったことがありますが、今が一番いい季節じゃないかなァ。道は狭いですよ」
今年の夏前につぶれた近所のコンビニが11月に新装開店した。夕食の弁当、明日の朝食と渓谷で食べる昼のおにぎり、それと疲労回復のチョコレートまでゲットした。準備完了!
「では、明日の朝はお見送りできませんが、気をつけて」
「はいっ、女将さんもお元気で」
かくて、朝。冷え込んでいる。布団をたたみ、ホームごたつに足を入れたところで ”ギクッ” ときた。
西沢渓谷。今年はよくよく縁がない。
広瀬湖と西沢渓谷入口までたどり着き、見ごろの紅葉をゲット
by h-fuku101 | 2015-11-06 06:28 | Comments(0)