薬師池公園での空白のとき
唱歌「夏はきぬ」の作詞者は国文学者で歌人でもある佐佐木信綱氏。この人の名前を聞くと、即座に「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲」が思い出される。
昔々、奈良・薬師寺東塔のそばに墨書された句板が置かれてい、訪れるたびに読んだものだ。が、東京に来て何年か後には取り払われてしまっていて、思い出すたびにあの日のさみしさがよみがえる。「夏はきぬ」を歌うご婦人方の声が佐佐木信綱氏を想起させ、果ては句板にまで想いが及んでしまった。
気づくと、アマドコロの前に膝まづきながらシャッターを切る手は止まっていた。
「そうだ!今はアマドコロだ。おまえにはこの公園の薬草園で初めて会ったんだよなぁ。で、思いがけずスズランとも出会った。それだけに、思い入れが強いんだよなぁ・・」。
この時期はアマドコロ(甘野老)恋しさに薬師池にやって来る
by h-fuku101 | 2017-05-03 07:42 | Comments(0)