山形行記=酒田

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 2日目の泊りは酒田。窓からは終始、鳥海の山容が眺められ、きれいだ。

 朝、ホテルで出会った女性2人。今は酒田市在住だが、以前は川崎大師近くにいたと言う。「これ幸い」と観光お奨めスポットを聞いてみた。

 「まず山居(さんきょ)倉庫ですね。本間美術館などもいかがでしょう?」。いずれも庄内平野と最上川水運を背景に、北前船で栄えた酒田らしい “見どころ” だ。あと、おやじ的にはずせないのが「土門拳記念館」。

 本間美術館に展示されている美術品は、希少価値、年代的に優れたものであることはまちがいないが、正直、期待を裏切られた感は否めない。だが、藩主酒井候が藩内巡視をする際の休憩所として本間家がつくった別邸庭園「鶴舞園」、別邸「清遠閣」は贅(ぜい)を尽くしたものだけに、「すごい!」。聞けば、明治初頭には三条実美公が、大正期には東宮殿下(昭和天皇)なども宿泊されたとか。「ゴルフの『本間』は親戚筋」と聞けば納得できようというもの。

 旅は、ここに来て完全に観光旅行化した。レンズ・キャップを閉じ、そろそろ山形行記を終えることとする。

 ただ、旅の最後に鳥海山に出会い、その山容に魅せられたことは大きな成果だ。必ず戻って来たい。
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新井田川沿いに建つ山居倉庫は酒田観光にははずせない


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鶴岡城址公園に建つ「藤沢周平記念館」


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温海温泉名物の朝市風景を詠んだ与謝野晶子の歌碑


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山形、秋田県境にそびえる鳥海山には魅入られた


by h-fuku101 | 2013-08-30 07:35 | Comments(0)

山形行記=月山

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 雲の峰いくつ崩れて月の山 芭蕉

 山形にはとにかく芭蕉ゆかりの碑が多い。彼は、山形だけでも尾花沢、立石寺、大石田、新庄、羽黒山、月山、湯殿山、鶴岡、酒田、大山、温海などを歴訪しているのだから、彼への関心度は、今に至るまで東京在住者とは比べものにならない。

 きょうは、とにかく月山。旅行3日目に行く予定だったが、その日は天気が崩れるという。「山で雨に降られるのは…」ってことで繰り上げることにした。

 月山8合目への到着は午後1時。ここから頂上までは4.6㎞で、3時間弱かかるという。無理はできない。ここは登頂をあきらめ、眼前に広がる弥陀ヶ原湿原を散策して溜飲を下げることにする。

 弥陀ヶ原湿原は高山植物の宝庫のようだ。チングルマ、ヒナザクラ、ニッコウキスゲ、ミヤマリンドウ、オゼコウホネ、ワタスゲ…。月山の噴火によってつくられた多様な環境が百数十種という花たちの温床になっているんだろう。

 ここもまもなく秋に覆われる。今は緑々した草々が赤茶に染まるクサモミジ。是非とも見てみたいものだ。
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弥陀ヶ原湿原から秋空の月山頂上方面を望む


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池塘(ちとう)はまもなくクサモミジに覆われる


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by h-fuku101 | 2013-08-29 07:02 | Comments(0)

山形行記=山寺

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納経堂は山内で最も古い建物。麓の集落との対比はすばらしい


 蔵王から山形経由で天童に向かう。途中には、これも楽しみにしている「立石寺(りっしゃくじ)」、通称「山寺」がある。

 話しはそれるが、娘の旦那は元高校球児。それも主将を務めていたという。彼の母校が走っている道の左に見えてきた。わずか2~3㎞行くと今、カーラジオで前橋育英校との準決勝戦を戦っている日大山形だ。婿(むこ)が、遠い昔のしがらみや怨念をかなぐり捨ててライバル校を応援しているという。そう、車で走った当日は、山形が県を挙げて熱く燃え盛っている一日だった。

 泊りは天童。チェックインを済ませてから山寺に向かう。駐車場は寺の近くだが、「帰りには土産を」が条件。「OK!」と返事して「さぁ、千段超えの階段に挑戦だぁ」。

 山寺は西暦860年、清和天皇の勅願により慈覚大師が開いたと伝えられている。これほど急峻な山によくも創建したものだ。そして、より驚かされるのは、そのときに灯された火を今も守り続けているという。もう凡人の想像の域を超える。

 下界に戻り土産屋に入る。

 聞けば、ご主人は日大山形の野球部OBだという。今回、残念ながら決勝進出はならなかったが、県内だけに出された “号外” を前に熱い想いは存分に語り合えた。もちろん話しの節々で婿にも再三、登場願ったが…。

 「で、駐車代は?」「そんなもの、結構ですよ。気をつけて旅を楽しんでください」…。山形は熱く、そして、あたたかい。
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1848年に再建された仁王門。左右の像は運慶の弟子たちの作

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“静けさや~”。根本中堂横に立つ芭蕉の句碑


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岩穴には弥生時代以来の古い人骨も見られるとか



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県内限定の号外。裏には甲子園での戦いの過程が書かれている


by h-fuku101 | 2013-08-28 05:01 | Comments(2)

山形行記=蔵王お釜

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 山形駅着は午前10時過ぎ。東京では大雨注意報が出ているらしいが、ここ山形は快晴。米沢駅から積み込まれた「米沢牛弁当」を手に早速、レンタカーで蔵王を目指す。

 蔵王。あこがれの地の一つだ。

 仙台には出張で10回以上来ている。そこから秋保温泉や蔵王が指呼の距離にあることも知っている。だが、当時は気持ちが動くことすらなかった。もう少し遊び心を持っていれば…。いやいや、いかん!

 車が徐々に高度を増す。エアコンを切り、窓を開ける。秋を思わせる風が吹き込み、気分をさわやかにしてくれる。やっぱり自然の風はいい。もうひと月もすればこのあたりは紅葉に包まれることだろう。

 リフトが “お釜口” に着いた。係の人に聞くと、「お釜は道なりに真っすぐ」だと言う。歩を進めるにしたがってドキドキ感が高まる。それほどにあこがれが強かったようだ。

 ケルンがあちこちにつくられている。胸の動悸を静めるため、山形行第1写は蔵王のケルンと決めた。

 それにしても、大自然の持つエネルギーと破壊力はどうだ。通称 “お釜” と呼ばれる火口湖をはじめ、周囲の山々は大きくえぐられてしまっている。シャッターを切ることも忘れ、しばし呆然…。ただただ、すごい!

 “お釜” をながめながら弁当を開く。うまい! 1時間ほど前に日大山形の準決勝戦がはじまっている。
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by h-fuku101 | 2013-08-27 07:04 | Comments(0)

山形行記

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蔵王は念願の山。 “お釜” を目前にしてはやる気持ちをケルンで静める


 今年の誕生旅行は、山形県の観光大使を務める友人のI君に敬意を表して、 “ぐるっとやまがた” と銘打って県内を周遊してみた。

 山形には過去3回来ている。2回は現役時代で、もう1回はI君のご母堂さまの葬儀参列のため。ただ、現役中の出張はいずれも山形市だけで、葬儀は鶴岡市往復のみ。いわば、「ただ行ったことがある」と言うだけで、「な~んにも知らない」状態の最たるものだ。

 旅は、念願だった蔵王の “お釜” から “山寺” を巡り、2日目は急遽、予定を変更して月山へ。そして、3日目は北前船で繁栄した酒田観光。

 各地からの報告は明日以降に委ねるが、山形は、バタバタとあわただしく回るところではなく、腰を落ち着けてじっくりと見つめてみたい、そう思える土地柄であった。
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立石寺(山寺)は修験道の国:出羽にふさわしく険しい断崖のうえに建つ


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月山の弥陀ヶ原湿原。池塘(ちとう)、高山植物が目を楽しませてくれる


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酒田市の観光名所のひとつ「山居(さんきょ)倉庫」


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多くの文人、歌人なども宿をとったあつみ温泉(鶴岡市)




 

by h-fuku101 | 2013-08-26 07:17 | Comments(0)

こころ旅から

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世田谷のヒマワリ畑は見ごろを少し過ぎてしまったようだ


 毎朝5時からNHK-BSプレミアムで火野正平さんの「こころ旅」が再放送されている。

 昨日、今日は滋賀県で、明日からは岐阜県に入るが、滋賀といえば琵琶湖。結局、火野さんは湖南、湖東、湖西、湖北を巡ったが、テレビ画像からも湖北~湖東と湖西の発展の違いが見て取れる。

 湖北~湖東は、東海道や中山道など古くからの街道が発達し、多くの旅人が行き交った。米原、彦根、長浜、近江八幡など、滋賀県を代表する街の多くがこの地域に集結している。一方、湖西も、もちろん人々の往来はあったが湖北・湖東ほどではない。ただ、湖西から湖北にかけて、西行法師の北陸布教に伴い仏閣や仏像にはすぐれたものが多く、自然も色濃く残されている。

 滋賀県は、京都・奈良ほどメジャーではないが、観光とレジャーの隠れた名所だ。同時に、大変お世話になった近江源氏社長:故浦谷さんの故郷でもある。

 遠い、遠い昔にその歴史や仏像を追ったこと、湖水浴・スキーを楽しんだことなどを思い出し、そして、浦谷さんを懐かしむ週の始まりとなった。
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ヒマワリ畑は住宅地の真ん中に広がっている


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真夏の太陽の下、竿を出す釣り人たち(ヒマワリ畑への途上の多摩川畔にて)


※今週はこれにて失礼します。

by h-fuku101 | 2013-08-20 07:27 | Comments(0)

ああ、コリアタウン

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 このところ撮影行の合間を縫って写真展や美術館めぐりに時間を費やしている。

 気になっていた「よみうり風景写真コンテスト」に出掛けたのは1週間前の12日。大賞に選ばれた写真は、旧家の炉辺(ろばた)で談笑する女性2人を題材にしたものだが、目線といい、アングルといい、光の陰影といい、さすがにすごい。

 昨18日は上野で開かれている「ルーヴル美術館展」。地中海世界の移り変わりを絵画、工芸品、肖像、文献など計273点の作品とともに紹介していて、実に興味深く鑑賞した。惜しむらくは「世界史をもっと勉強しておけばよかった」。

 帰途、昼食を兼ね、新大久保駅で電車を降りる。いゃぁ、何十年ぶりだろう。

 「???」。駅前風景が一変してしまっていて、一瞬、どこにいるのかさえわからない。ヨン様世代も “今は昔” で、街を闊歩(かっぽ)しているのは高校生から20代の女性ばかり。食べ歩き文化が横行し、コスメ店が幅を利かせている。

 1軒の韓国料理店に入る。アジュマの手作り料理の面影は消え、Kポップ世代が料理長を務める。ああ、 “変わりゆく” を通り越し、 “変わり切ってしまった” コリアタウン。昔を懐かしむ気持ちはとても起こりそうにない。
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by h-fuku101 | 2013-08-19 07:00 | Comments(0)

向島百花園にて

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 「どういう光景を撮っておられるんですか?」
 「向島百花園らしさが撮れるといいなぁと思ってるんですが…」
 「あっ、なるほど。私、写真教室の宿題で、ここの風景を17日までに持っていかないといけないんですが、何をどう撮っていいかわからないんです」。

 ここは向島百花園。 “春夏秋冬花不断” と門にも書かれている、いわば念願の公園。数多く立ち並ぶ歌碑の前で「やっと来た」という感慨に浸っていた矢先のおばさんからの声掛けだった。

 「スカイツリーが見えるって聞いたんです」
 「あっ、それならこの池の向こうから見えましたよ」
 「すみません。私のカメラで1枚撮ってみてくれませんか?」
 「…」

 なにもうまく撮ろうと思うことはないだろうに…。

 「好きに撮ればいいと思いますよ」と丁重にお断りしたが、こちらのペースは完全に狂ってしまった。また来ることにしよう、ねっ。
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by h-fuku101 | 2013-08-16 06:36 | Comments(0)

清澄庭園

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 深川の庭園と言えば清澄庭園。2度ほど前を通ったことはあるが入ったことはまだない。採荼庵(さいとあん)跡からもほど近く、「せっかくの機会だから」と立ち寄ることにした。

 聞けば、この庭園の一部は紀伊国屋文左衛門の邸宅跡だったという。その後、岩崎弥太郎氏の手にわたり、東京に寄付された。それにしても、行く先々で三菱創始者:岩崎弥太郎氏の名を耳にする。湯島:旧岩崎邸、駒込:六義園、国分寺:殿ヶ谷戸、そして、ここ清澄庭園…。いゃぁ、その財力には恐れ入る。

 気温はゆうに35℃を超えているが池面を渡ってくる風には涼しさがある。全国各地から取り寄せられたという岩々が池水とあいまって趣(おもむき)を加えてくれてもいる。派手さはないが、気持ちに落ち着きを与えてくれるいい庭園だ。

 さて、昼は名物の「深川飯」で済ませることにするか。
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by h-fuku101 | 2013-08-15 06:45 | Comments(0)

深川歩き

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隅田川沿い遊歩道には芭蕉の句が並べられている


 「都営新宿線森下駅からほど近いところに芭蕉記念館」…。「嘘を書いていてはいけない」と、検証を兼ねて深川界隈を散策した。

 深川と言えば下町。小気味よい口調のなかに何とも言えない人情が見え隠れし、この地の風情はたまらなくいい。「深川と本所の境はどこなんだろう…?」。と言うことで、前に一度歩いて “この人情” に触れ、その良さを知った。

 そのとき偶然見つけたのが芭蕉ゆかりの建物。が、これは芭蕉記念館ではなく、「採荼庵(さいとあん)」跡。記念館だとばかり思っていた。芭蕉は、深川の草庵を人に譲った後、奥の細道に出掛けるまで門人杉風(さんぷう)の別荘に滞在したが、それがここ「採荼庵」だ。

 芭蕉記念館は大川(隅田川)を背に建つ。近くの小名木川沿いには芭蕉記念館分館と芭蕉稲荷。この芭蕉稲荷がどうやら草庵があった地で、有名な「ふる池や蛙飛びこむ水の音」もここで詠まれたらしい。

 往古を訪ね歩くのは、いい。
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ドイツケルン市の吊り橋をモデルにした清洲橋(小名木川にかかる萬年橋から)


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採荼庵跡に座す芭蕉像。横を流れるのは仙台堀川


by h-fuku101 | 2013-08-14 07:25 | Comments(0)