隔絶の人々


 御岳山。平均気温は下界とは7℃くらい違うらしい。標高差100メートルで1℃違うというから、そうかも知れない。

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 レンゲショウマを撮り、御岳神社にお参りしたあと、前回お昼をいただいた店で今回も食事をした。身長140cmと思われるおばあちゃんは健在。私の顔を覚えていてくれたのか、ニコッと笑って「いつもありがとうございます」。これはうれしかったが、次の言葉で少し落ち込んだ。「下界は暑いですか?」。前回と同じ質問だ。

 だが、「私は昭和34年にここに嫁いできてから、月に1回、病院に薬を貰いにいく以外、山を降りたことがないんですよ」には驚いた。つい、「確定申告は?」「年金受給は?」など、俗人的なことを考えてしまう。

 泊まった宿坊。チェックインは3時から。七代の滝へのアップダウンで汗びっしょりになっていたので、30分くらい早いが玄関を開けた。「チェックインは3時なんですよ」「少し休めるところはありますか」「休んでいただく場所はないんです。1時間500円でお部屋に案内できますが」「……」。商売っ気たっぷりに出合い、それまでの印象は変わってしまった。

 朝食は8時。定刻に席に着いたがご飯が出ない。突然、太鼓の音とともにお祈りが始まった。「そうか、これが宿坊のルールなのか」。お祈りが終わるとともに高校生アルバイトと思わしき女性が一斉に配膳してくれたが、普段見慣れた高校生とは違い、すがすがしさがただよっている。

 街中から隔絶された人たちの暮らしと、下界人相手の現実的な暮らしがない交(ま)ぜになった社会の一端を垣間見た2日間だった。

# by h-fuku101 | 2009-08-12 07:35 | Comments(0)

チャヌンナリ


a0120949_9285418.jpg チャヌンナリ、カヌンナリ。いつもは会える(見れる)のに、わざわざ出掛けたその日に限ってダメだったときなどに韓国の人たちが使う言葉だ。

 日曜日から一泊で御岳山に出掛けた。目的は先にお知らせしたようにレンゲショウマを見るため。

 朝8時半前に最寄り駅を出、立川駅では待ち時間1分で青梅行きに接続。青梅でもわずか10分の待ち時間で奥多摩行きが出発した。実にスムースだ。

 さて、レンゲショウマ。御岳山駅から約3分で第一群生地に着くが、さすがに日曜日。細い道はカメラを持った人たちであふれかえっている。花の数は前回、下見に来た日よりも多いが、盛りというにはまだ早い。一つの花に3~5人が群がる光景を是非思い浮かべていただきたい。あ~ぁ。

 おまけに、あいにくの天気で山はガスに覆われる。「どうせ一泊するのだから、明日ゆっくりと写せばいい」と早々に切り上げ、前回行けなかった「七代(ななよ)の滝」まで足を伸ばすことにした。

 七代の滝。急な下り道が約30分続く。降りる途中で「あれ?この急坂を帰りは登るの?」と思ったりしたが後の祭りだ。滝のそばで野宿って訳にはいかないもんな。重いカメラバッグを投げ出したい気分に再三襲われ、数度の深呼吸を繰り返しながらも何とか帰還した。

 夜半から雨が激しくなった。おまけに朝には地震。テレビでは台風の接近を知らせている。朝ご飯を食べて早々に下山した。日曜日のアップダウンが火曜日の今朝、筋肉痛になって出てきた。御岳山の思い出が筋肉痛だけじゃ寂しいわい。

# by h-fuku101 | 2009-08-11 09:30 | Comments(0)

マスコミ


 女優:酒井法子の動向を今、マスコミが大きく取り上げている。芸能界のことはまったく分からないし、関心もないが、連日これだけ取り上げられると嫌でも目に入ってくる。

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 さて、マスコミ。
 当初、夫の高相何某が逮捕された直後から行方不明になった彼女について、「彼女は責任感が強い。恵まれない家庭に育った彼女には人一倍、幸せな家庭を築きたい思いが強いんです。今回の事件を、彼女自身の責任として受け止めているんじゃないでしょうか」などと述べていた。このコメントを聴いた視聴者は、一様に彼女への同情を覚え、「早まったことはするな」と誰しもが心の底からその安否を心配したことだろう。

 数日を経て報道は一変した。彼女自身が覚せい剤を使用していたとして、今や容疑者になっている。で、マスコミの取り上げ方は行方不明者から逃亡者だ。

 もちろん、薬物使用は許されない。最近では相撲界の外国人力士二人が角界から追いやられ、それ以前にも芸能界でのこの種犯罪は多い。芸能界の仕組みは分からないから「関係者が総力を挙げて、その根絶に取り組むべきだ」の通り一遍なことしか言えないが、治外法権的な意識、感覚は払拭すべきだ。

 今、同情論を吐いたコメンテーターが誰だったか、顔も名前も覚えていない。放映したテレビ局も忘れた。さて、このX氏。今ごろどういう心境でいるのだろう? 多分、次回登場の折には、テレビの影響力などそっちのけ、「そんなこと言いましたか」といった顔でまったく別なコメントを述べることだろう。犯罪に手を染めた人間は悪い。だが、もっと許せないのはお前のような無責任野郎だ。
 

# by h-fuku101 | 2009-08-08 08:03 | Comments(0)

安全・安心


 自殺者は年間、3万人を超える。実に痛ましい。

 昨今、電車が遅延する理由の多くは人身事故。その頻度から今年はさらに自殺者の数が増加するのではないかと勝手な予測をしている。

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 今から20年ほど前になるだろうか。ニュージーランドが国営企業の多くを民営化し、国内企業への外国資本の導入を積極的に進めた。いわゆる身売りだ。その結果、増えたのは失業者、自殺者、犯罪者の三つ。森喜朗氏のあとを受け3期にわたって総理大臣を務めた小泉純一郎氏は、竹中平蔵氏とともにこれと同じ道を歩んだ。

 今、日本は、経済のグローバル化のもと、外資系が市場を席巻(せっけん)している。経済効率、コスト削減が優先され、若者の多くはアルバイト・派遣で糊口を凌いでいる。企業論理はお客様よりも会社の都合が第一順位となり、国内産業・農業は低コストの外国製品に駆逐されている。

 さて、安全・安心って何だろう。国の安全と言えば防衛など軍事的なものに目が行き勝ちだが、違う。もちろんそれも重要なことだが、第一位は、国民が安心して働け、安心して暮らせる社会をつくることにある。しかし、現実は前述のような状況。これでは国民を守る国の責務を放棄しているに等しい。

 資本主義が悪いとは言わない。しかし、一方では国際的にも高い評価を得ている国内産業・農業の育成もおろそかにしてはならない。何よりも国民が確実に、そして安心して働ける職場を確保することが必要だ。「ジャパン・アズ・NO.1」で称えられた日本は一体どこに行ってしまったんだ。

 

# by h-fuku101 | 2009-08-07 08:18 | Comments(0)


 癌(がん)、実にやっかいな奴だ。発見が1日遅れれば確実に死が訪れ、1日早ければ100%問題ない。早期発見、早期治療が言われる所以(ゆえん)だ。

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 平成10年(1998年)8月、長年お世話になった会社を退職して1か月後、胃に不快感があり病院に行ったが、主治医から「いつもと違うものがありますね」と言われ、ピンときた。そのときに脳裏を横切ったのは、「散る桜、残る桜も散る桜」だった。主治医の声を自分でも驚くほど冷静に聞き、受け止めたことは忘れようがない。

 同年10月1日、3分の2を切除。術後、主治医から「99%再発はありません。病名は初期胃癌です」と言われた。正直ホッとしたと同時に、「お前は一旦、死んだんだ。これからの人生は与えられた命と思い、一日一日をより大切に生きろ」と自らに言い聞かせた。

 人との付き合い方についても考えた。「この人は大切だ、と思う人には、例え、自分がどういう状態であれ、すべてを投げうってでも尽くそう。また、その人に一朝あるときは、どんなに遠くても駆けつけよう。相手がどうでもいい人なら、この際、整理してもいいか…」。以来、11年が経過した。「大切な人」に対する気持ちに変わりはないが、一日の大切さはともすればおろそかになり、どうでもいい人は…?相変わらず引きずっている。

 

# by h-fuku101 | 2009-08-06 07:29 | Comments(0)