本物の “湘南シラス”
腰越は大先輩が定年退職後暮らしておられたが、今はもう奥さんも亡くなられた。
駅から5分足らず。「湘南シラス」の幟(のぼり)が目に入った。店の名前は「加藤丸」。「こんなにいい土産はない」と早速、訪(おとな)いを入れた。
「は~い」。元気な返事が返ってきたが、出てこられたのは明らかに先輩と思しき奥さんだ。「あの~、シラスいただけますか?」。
「あぁ、シラスね。でもねぇ、今日はないの」「売り切れですか?」「いえね、昨日、台風だったでしょ。だから漁に出てないの」。「そりゃ、そうだ」と心底、納得。同時に、台風をすっかり忘れてしまっていた自分が情けない。
それにしても、今は冷凍大はやりの時代。「早く召し上がってね」の一言があれば「いい店だ」と思っていそいそと帰ったかも知れない。
「これぞ本物だ。いい店を知ったぞ」の想いを抱えて家路についた。
by h-fuku101 | 2012-06-22 06:24 | Comments(0)