放浪記Ⅳ
大石公園を過ぎて若彦トンネルをくぐると甲府・御坂方面。ぶどう畑や桃の木などフルーツ王国特有の光景が目につくようになる。同じ山梨県なのに、山を一つ越えるだけでこんなにも景色が違うものか!?
まず甲州市塩山にある「恵林寺(えりんじ)」をめざす。
秋の風物詩の一つが柿だが、恵林寺周辺は「ころ柿」の産地として昔から有名で、今はたわわに実る柿の実がうれしい。あのオレンジ色が秋の空に映える光景は、まさに ”おやじの原風景” そのものだ。
柿に混じってザクロが目についた。
「この写真を撮らせてもらっていいですか?」
「はいっ、どうぞ。よかったら、2つ3つ持って行かれますか?」
「えっ、いいんですか?」
「毎年食べきれずに、結局は腐らせてしまうんです」
若いお母さんと高校生くらいの女の子。「お母さんより私の方が(実を取るのが)うまいんだから、私がやる」。ほのぼのとした親子のやり取りをしばし楽しませてもらう。
少し走ると「慈雲寺(じうんじ)」。ここは樋口一葉のご両親のふるさとだが、山の師匠Nさんに教えてもらった。境内にある天然記念物のイトザクラは春には見事な枝垂れ花をみせてくれる。が、その紅葉を訪ねる人の姿は見えない。
あとひと月もすれば、ころ柿を吊るす光景がこの地のあちこちで見ることができる。
見事に熟したザクロ。さあ、実の5~60個はあっただろうか?
こんな ”柿畑” は町のいたるところにある
慈雲寺のイトザクラの色づきも訪ねる
by h-fuku101 | 2015-10-29 07:11 | Comments(0)