中村紘子さん逝く
ピアニストの中村紘子さんが26日(火)に亡くなっていたことを今朝のニュースで知る。無念。ただただご冥福をお祈りする。
彼女の演奏を最後に聴いたのは昨年1月。東京交響楽団の第104回「名曲全集」でチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」のソリストを務めていただいたが、鳴り止まぬ拍手に3曲ものアンコール曲で応えていただいたことが今も消えない。生涯、3800回もの演奏活動を重ねたというが、回数以上にその中身の濃さは押して知るべしだ。
玉水がコロコロと転がるように音が流れる。かと思えば、病後を案じる聴衆を見返そうとするのか、全身全霊を傾けて鍵盤をたたく音は力強く激しい。日本人として初めて「ショパン国際ピアノコンクール」に4位入賞した実績をはるかに超える実力は、その後の演奏活動によって培われたものだろう。
もう生で彼女の音を聴くことはかなわない。
by h-fuku101 | 2016-07-29 06:36 | Comments(0)