鶴の舞橋
「ひゃあ~。夜、泊まるホテルから近いとは聞いていたが、こんなに近いとは…!?」。
声を発したのはホテル入口。それまで姿の切れ端すら見えなかった「鶴の舞橋」。それが今、ロビーの窓越しに惜しげもなく全容をさらしてくれている。しばし受付を忘れ300㍍の木橋と雲に霞む岩木山に見入る。
ここは「つがる富士見荘」。国民宿舎だ。 ”あの吉永小百合さん” が壁際に立っている。その撮影場所はこのホテルの庭だ。「そうかぁ、あの吉永さんがこの場にいたんだ」。人間、おかしなことに感心するものだ。
おまけに、部屋のカーテンを開けるとまた同じ光景。そう、おやじの部屋はロビーの真上。最高のロケーションだが、次第にプレッシャーがきつくなる。
鶴の舞橋。プロのカメラマンが撮った現場に、それもCMが流されている最中に来るものではない。スゴスゴと逃げ帰りたい想いに苛(さいな)まれつつ震えるシャッターを切る。
「でも、雪の降る頃にもう一度来てみたいなぁ」。
by h-fuku101 | 2016-09-21 06:38 | Comments(0)