台風の思い出
昨夜来、ゆるく、激しく雨が降りつづいている。雨が時折り窓をたたくのは吹き付ける風のせいだろう。
和歌山県を流れる熊野川が氾濫したという。さて、わがふるさとの恩智川は大丈夫だろうか?
恩智川は、台風が来るたびに氾濫を繰り返す川だった。暴れ川などと異名されるほどかっこいい川ではない。虚弱体質の、ちょっとした水でも堤防を壊す、軟弱な川だった。いつだったか治水工事が行われ、それ以来、氾濫することはなくなったが “三つ子の魂百まで” の例え、台風が来ると心配になる。
幸い、おやじの家は水に浸かることはなかった。坂の下に住む人たちはその都度、坂上に避難を繰り返し、それが当たり前の時代だった。戦争は暗い思い出しか残していないが、そこで培(つちか)った市井(しせい)の人々の助け合い精神は、今も明るい気持ちにさせてくれる。
ジェーン台風があった。伊勢湾台風もあった。家の前に立つ電柱が途中でポッキリと折れ、屋根を壊した。おやじは屋内に居ながら空が見えるのをむしろ楽しんでいたが、一番の思い出は隣の屋根裏に顔を出した晴美ちゃんと思いがけず目が合ったこと。いゃぁ、笑ったなぁ。
たらい舟、帆掛け船、ザブザブ歩き・・、不謹慎だが、台風と洪水には子供ならではの数々の思い出もある。
by h-fuku101 | 2018-08-24 06:22 | Comments(0)