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成るほどに

成るほどに_a0120949_7295941.jpg 昔、私が中心となって運営していた囲碁・将棋大会があった。全国各地から年1回、腕自慢が参加し、2泊3日の日程で団体戦、個人戦を行った。プロ棋士との指導対局や解説などもあり、盛りだくさんな企画だった。

 以来約30年。今もその囲碁・将棋大会は続けられている。

 囲碁歴代の優勝者・名人の名を列記してみよう。初代は北海道の川尾さん。次に近畿の村上さん。大音さん(近畿)、徳富さん(中国)、砂川さん(北海道)へと続く。川尾さんは、対局中は厳しい表情を崩さないが、盤外ではいつもニコニコとしていて人柄は実に穏やか。村上さんは本当に謙虚な人である。大音さんは、いるのかいないのか分からないほどに目立たない。徳富さんは、私たちと同じ仕事を辞めて、中国の子供たちへの囲碁普及に出掛けた。砂川さんは現役。

 これらの人に共通しているのは、みんな地方に帰れば県の代表クラスかそれに近い人ばかり。実際、何人かは全国大手紙が主催するアマチュア全国大会にも、厳しい地方予選を勝ち抜き、参加している。だが、誰一人として自分の強さを鼻にかけていない。

 囲碁・将棋は対局後、検討をする。「ここに打って置けばどうだった?」「そのときはここに打つ」と言った具合。上記の人たちは、検討の場にプロがいれば決してでしゃばらない。プロから「この手の意味は?」などと質問されたときにのみ口をきく。プロをプロとして認めているからであり、これはその人にそれだけの実力があるから出来ることである。

 成るほどに頭を垂れる稲穂かな。

 囲碁も将棋も、ゴルフも同じだが、実力を競うと同時にマナーが重んじられるゲームである。実力という自信は持ちつつも、決して思い上がることなく、周囲の人たちへの敬意や気遣いも忘れない、そんな気持ちを持っている人にこそ楽しむ資格があるというのは言いすぎだろうか!?

 

 

 

by h-fuku101 | 2009-06-24 07:36 | Comments(0)

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